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消化器科(肝臓疾患)

肝臓病とその治療について

「肝臓病」の病態・疾患は多岐にわたりますが、それぞれが密接につながっています。当施設は肝がん治療専門病院として約15年間診療にあたってまいりましたが、肝がんを治療するにあたり様々な病態の「肝臓病」と向き合ってまいりました。 わが国の「肝臓病」の多くを占めるのはウイルス性肝炎(B型もしくはC型)であり、その中でも当施設で加療する最も代表的な病態が「C型肝硬変合併肝がん」ですが、その患者さまを治療する場合、以下のような病状および対策が列挙されます。

C型肝炎ウイルスが惹起する肝炎と発がん性
活動性のある肝炎を放置すると肝機能が悪化しますので、肝臓の炎症を鎮静化させる薬剤を投与します。またウイルスの存在が肝炎を長引かせ肝臓の発がん性を惹起しますので、状況に応じてインターフェロンフリーによるウイルス排除を行います。
肝硬変と肝予備力低下に併発する食道静動脈
肝硬変の程度が進んでいる場合、様々な病態が併発します。門脈の圧が上昇することで食道に静脈瘤ができ吐血の原因になりますので内視鏡により静脈瘤を治療します。タンパク低下から腹水が貯留しますので利尿剤投与や腹水還流を行います。アンモニア上昇に由来する肝性脳症には原因である腸内細菌を抑える治療を行います。
肝がんの増大による閉塞性黄疸・肝がん破裂による出血
肝がんの増大により肝臓の胆管が閉塞し黄疸が生じることがあります。この時は経皮的もしくは内視鏡的に胆管ドレナージを行います。肝がんが破裂し腹腔内出血を生じた場合急速に致死的状況となりますので、緊急的に血管造影による肝動脈塞栓を行います。

肝臓病とその治療について


上記に列挙した内容でわかりますように、これらをすべて理解し知識的・技術的に習熟した「職人医師」でなければさまざまな病態を呈する「肝臓病」を治すことはできません。 当院の医師は以上のことを常に心がけながら日夜研鑽を積んでおります。
皆様が納得できる「肝臓病」治療をお約束いたします。

肝炎、肝硬変の主な疾患

ナッシュ(非アルコール性脂肪性肝炎
脂肪肝の一種です。飲酒をほとんどしないのにアルコール性肝障害のように組織が変化し、肝硬変から肝がん発生をしてしまう疾患です。生活習慣病の増加に伴い症例数の増加が予想される注目すべき疾患です。治療は生活習慣病(肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症など)の改善が基本になります。日本におけるナッシュの頻度は人口の約1%程度(約100万人)と推定されます。診断の確定は肝生検で行います。
アルコール性肝障害
アルコールに対する強弱の個人差はありますが、長期間(通常は5年以上)に及ぶ多量の飲酒(1日飲酒量:日本酒換算3合以上)は肝臓の機能を弱らせていきます。また女性のほうが男性より少ない飲酒量と短い飲酒期間で肝硬変になりやすいことが知られています。アルコール性肝硬変でも肝がん発生があり約2〜3%といわれています。アルコール性肝障害の治療基本は禁酒です。
ウイルス性肝炎
ウイルス性肝炎には急性肝炎と慢性肝炎があります。 A型急性肝炎は慢性化しませんが、B型、C型肝炎は慢性化しやすく、また肝硬変に進行しやすいことが知られています。ここでは、慢性肝炎から肝硬変に移行しやすいB型肝炎、C型肝炎について簡単に説明します。
(B型)
感染経路は出産時の母児感染や異性間の性行為などがあります。治療は抗ウイルス薬としてインターフェロンと核酸アナログ薬があり、ウイルス量を減少させる効果があります。たとえウイルスが駆除されなくてもウイルス量の減少やAST(GOT),ALT(GPT)の値を正常化させる可能性が高くなるため肝病変の改善に期待できます。抗ウイルス薬の内服にはバラクルード、ラミブジン、ラミブジン+ヘプセラ(ラミブジンで効果がないとき)、ヘプセラ(バラクルードで効果がないとき)などがあります。しかし、一旦内服を開始すると中止することが困難であることが、今後の問題点となります。
(C型)
感染経路は輸血など経静脈感染が主体であり、刺青や性行為などの可能性もあります。治療法にはインターフェロン単独療法とインターフェロンフリー療法(インターフェロン+内服)があります。ウイルスを駆除できれば肝病変の改善や肝がん発生を減少させることに期待ができます。治療はウイルス量とウイルス遺伝子型(グループ)により決定します。 遺伝子型はグループ1とグル−プ2に分類され、日本人の7割りを占めるグル−プ1は治療に抵抗性であり、グループ2が効きやすいタイプです。またウイルス量は少ない方が効果があります。現在はペガシス単独、ペグイントロン+レベトール、 ペガシス+コペガスでの治療が主流となっています。
(非B非C型)
肝硬変の成因のうち肝炎ウイルスマーカー陰性(いわゆる非B非C型肝炎)が約24%を占めているといわれています。しかしながら非B非C型肝炎の特徴的な血液所見は存在しないため、肝機能異常があっても定期経過観察を受けていない症例が多いと考えられます。
ウイルス性肝炎を放置しておくと将来的に肝がんができる可能性があります。肝機能(ALT(GPT))値が基準値以下(30IU/L以下)でも肝臓の病変が進んでいることがありますのでご相談ください。

症例数

2013年 2014年 2015年 2016年
PEIT 318 308 129 65
RFA 132 126 58 48
TAE 267 239 278 294
Coiling 34 38 36 19
リザーバー埋め込み 84 108 121 142
System-I 治療 322 347 439 645
造影検査 6 65 99 211

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